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文系女子がグローバルゲームジャムに挑戦! 果たして結果は?

私、ハマダはUEI/ARCでアルバイトをしてる文系女子。
普段はゲームのシナリオを書いたりさせていただいてる見習いクリエイター(?)

「ハマダ、来月のGGJに参加しろ」

私のGGJ参加のきっかけは、
この突拍子もないshi3zさんお得意の無茶振りにさかのぼる。

ジー・ジー・ジェイ?
イー・イー・ジャンプの兄弟分?
ブー・フー・ウー…

寝耳、もはや寝顔に冷水をぶっかけられた心境で、
グーグル先生に教えを乞うた。

Global Game Jam(グローバル・ゲーム・ジャム)、略してGGJ。

大雑把にいえば、知らない人と
約2日間という短時間の中でゲームを作るイベント、
といった感じのよう。

wise9のページもヒットした。去年のGGJのレポートだ。

『グローバルゲームジャムとは、
その日、その時、アドホックに結成された即席チームで全世界同時に行うゲーム
開発イベントで、
年々規模を拡大して行き、今年はなんと全世界1万人以上の人々が参加しました。
国立情報学研究所もその会場の一つというわけです。

参加者はバリバリのプロもいれば、
半分退役軍人みたいな元ゲーム開発者やゲームが好きな大学生、
ジャーナリストや単にゲーム好きな会社員の人など多種多様な人物。
彼ら彼女らが入り乱れてチームを作ります。

グローバルゲームジャムの公式ルールでは、「同じ組織に属した人同士による
チームはNG」
そこで各会場のコーディネーターたちが頭を悩ませてチーム編成をさせるわけで
す。』

な、なるほど…プロ・アマ問わず、
多種多様なゲーム好きの男と女が入り乱れているのか…。
なんだかすごいイベントのようだということを把握した。

とりあえず参加登録を行うために、
今年も会場の一つとなったNII(国立情報学研究所)のサイトを見てみる。

「プログラマはこなくていいです」
という、大胆不敵なコピー。
それも、デカデカとしたフォントサイズで。

開催する側がここまで言っているのだ。
さすが国立情報学研究所、親方日の丸級の安心感だ。

『物語構造でゲームを表現するタイプの開発者が参加できるように特化した
GameJamを実施』

とある。
これなら、自分でも大丈夫かもしれない。
いっちょ、やってみようかな。
気づけば、登録を済ませている自分がいた。

ともすれば挑発的な、あの煽り文句があったからこそ、
参加に踏みきれたのだと今では思う。

私はプログラミングのプの字もわからない。
中学生の時点で理数系の科目に躓いて、立ち上がれないまま大人になった。
頭が比較的柔軟な時期に論理的思考を喪失しているのだ。
だから、わかろうとしても、わからないし、わかれない。
職場でプログラマーの方々が交わしている会話は宇宙語だ。

いくら人並みにゲームが好きだといはいえ、
絵が描けるわけでも、プログラムを組めるわけでも、作曲できるわけでもない。
空想にふけったり、その空想をもとに物を書くことくらいしか、取り柄がない。

だからゲーム系のワークショップに参加したくても、
「自分では何も役に立たないかも」という思いが先行して、
いつも遠目から羨ましげに見ていた。
これからもそんな感じが続くんだろうな、と考えることもあった。

こういうとき、
「自分でも出来るかも…」と思わせてくれる言葉の求心力は偉大だ。
今回は本当にラッキーだった。

……とはいえ、
やはり「初めて」のことは、
期待だけじゃなく不安もついてくるものだ。

見知らぬ人と顔を合わせるだけでも緊張するのに、
そのうえ更にその人達と1本のゲームを作る?短時間で?

チームの足を引っ張ったらどうしよう。
良いアイデアが出せなかったら?

GGJ当日が近づくにつれ、
じわじわとにじり寄って来るマイナス思考。
登録した時のワクワク感よりも、不安の方が大きくなっている。
嫌いな体育や数学の授業が迫っている時の、気が重い感覚。

正直、GGJ開催前夜まではこんな調子だった。
でも、悩むだけ悩んだら、今度は
「もうどうにでもなれ」という一念が沸き起こった。

何にもできないわけじゃない。
今まで自分がやってきたことを信じるしかない。
そう自分に言い聞かせながら、半ばやけっぱちの足取りで会場に向かった。

ワークショップの冒頭で見た基調講演は、
ERIN ROBINSON嬢による
英語圏以外ガン無視のマシンガントーク(字幕が意味を成さないほど早い)が
とにかく強烈で、見る側を試しているオーラをクールに放っていた。

そして今年度のテーマ紹介。
固唾を飲む一同。



聴こえてきたのは、心臓の音だけ。
鼓動?ハート?心?呼吸?
全員の頭上に「?」が浮かんでいたと思う。

さて、
このNII会場独自のテーマは「アトラスXで作るARG」。
(ARGーAlternative Reality Game,、代替現実感ゲームと呼ばれる現実世界とリンクしたゲーム。)

そして今回チームを組むことになったのは、
社会人のタカシさん(ゲームデザイン担当)と、
大学生のリュウノスケくん(シナリオ担当)。


とりあえずチーム内でネタ出しをすることに。

どんなゲームにしよう?
ARGにするとしたら…脱出ゲーム?
ホラー?謎解き?
皇居は昔江戸城だったから…
江戸城の大奥から姫を助けるゲームは?
ゾンビから逃げるゲームは?
皇居をランニングしてたら、昔にタイムスリップしてたとか。
徳川埋蔵金?
東京だし、都市伝説を取り入れるとか…
心臓の音はどうする?
敵から逃げているときの効果音?
ゲームオーバーしたら心臓が破裂しちゃうとか
主人公が逃げるのか?それとも、誰かが逃げるのを助けるのか…

結果、
マルチエンディング型のギャルゲーを作ることになった。
最初の方針とは全く違っているのが面白い。
脱出もゾンビも、見る影もない。

たった3人でも、こんなに考え方や発想が違うのか。
個人個人で考えが違うのは当たり前のことかもしれないけど、
とても新鮮だった。

ゲームデザインを担当するタカシさんの提案で、
「シナリオに重点を置いたゲーム」はどうか、という話に。

AR機能をつけるとデバッグが大変なので、
先にARなしでも動くように全体を作る。
ARはあくまでオマケとして実装する。

という取り決めをして、それぞれの役割分担と、
何時までにその作業を終わらせるのか、といった
およその目処をつけ、ゲーム作成を開始することに。

タカシさんがゲームシステムを構築する傍ら、
私とリュウノスケくんは
主人公の設定や、どんなキャラクターにするかを話し合う。
今回作るキャラは3人分。

ゲーム冒頭の3つの選択肢からキャラを選び、
選んだ後はそれぞれの個別シナリオが楽しめる。
分岐ありで、選択肢の組み合わせによってはバッドエンドもあり。

「プレイヤーや女の子の設定はどうする?高校生?大学生?」
「ギャルゲーでは高校生が鉄板ですかね」

「キャラの名前はいつもどうやってつけてるの?」
「漢字の意味を調べたり、性格のイメージでつけてますね。
 例えば、明るい女の子だったら”まつり”とか…」
「なるほど!あと、ひらがなだと可愛い雰囲気が出るよね~」

「この2人はそれぞれ、いち100※の西野と東城みたいな感じかな?」
「それそれ!いまちょうど言おうと思ってたんですよ!」
「2人ともすごい盛り上がってるね!」(乗ってくるタカシさん)

だんだん弾みだしてくる会話。
顔合わせした時の心のこわばりは、いつの間にか溶けていた。

※00年代に全国の青少年のハートを震わせた伝説のパンツ漫画「いちご100%」

こうして出来上がったゲームがこちら

タイトルの一枚絵を見る限り、
そこはかとないアダルトな雰囲気がしないでもないが、
その正体は青春恋愛ノベル。

会場に向かう途中、
皇居の周りをランニングしている人たちがちらほら見えた。
それをネタにできないだろうかという、
それがしの提案を採用していただけることに。

背景と登場キャラクターのシルエットはタカシさんが担当した。
場所とランニングの雰囲気がダイレクトに伝わってくる背景。
シルエットがキャラのイメージによって色分けされているのも心憎い演出だ。

ギャルゲーには女の子の絵がつきものだ。
しかし、それを一から探したり作るとなると、
人数的にも時間的にもとても手がまわらない。
そこで、私の悪知恵でUEIのソーシャルゲームの素材を拝借もとい有効活用した
(事後報告)。

このゲームでは冒頭で3人の女の子の中から1人を選んで、
それから個別のシナリオを読むことが出来る。
途中の選択肢によって甘いグッドエンド、
はたまた世知辛いバッドエンドが楽しめるマルチエンディングシステムだ。

今回は「決戦!戦国VS三国志」の大奥というギャルゲーもどきのシナリオを
30キャラ分くらい書いていた経験にとても助けられた。

スクリプトもアトラスXを少し触っていたおかげで
シナリオを埋め込む程度なら手伝うことができたので、
今回のGGJでは「普段やっていることに無駄はない」ということに気付かされた。

この「走って恋して」、
ローカルテーマのAR機能や大会テーマの心臓の音は、
微塵も入っていない。

短時間という制限もあり、
まだバグが残っていたり、シナリオでおかしな部分もあるけれど、ゲームである
ことには変わらない。
あばたも何とやらで、時間内に取り除けなかったバグも、私の素っ頓狂なやっつ
けバッドエンドも、
リュウノスケくんの良い意味で青っぽい、どえらい文量のシナリオ(彼は一晩で
約1万字分のシナリオを書き上げていて、実装担当のタカシさんと私の 度肝を抜
いた。今となってはいい思い出だ)も、むしろ可愛いとさえ思える。

「たった3人で、一つのゲームを作ることができた」
ただそれだけで、
途方も無い達成感だったり、大きな喜びを感じることができた。
誰かと一緒に考えたものが形になるのは、いくつになっても、何であっても嬉し
いものだ。

ここの部分はよくできた、
ここはもっとこうすればよかったなぁ、
次はこうしたら上手くいくかも、
次は…

そう、気がつけば、
「次」のGGJのことを考えている自分がいた。
参加当日まであんなに不安がってたのに、とんだお調子者である。
自分だけじゃなく、同じチームのタカシさんもリュウノスケくんも、
他のチームの人だって、「次」のことで頭がいっぱいだったのではなかろうか。

達成感を感じつつも、やはり後悔は尽きてくれない。
「あの時点でこうしてれば…」
「テーマを完全に無視してしまったな…」
「事前にもっと、アトラスXを触っておくんだった…」
デッドラインを過ぎてから、そういった思いが頭の中をぐるぐる回っていた。

そんなこんなで、各チームのゲームの発表会に。
発表に移る前に、統括責任者の長久さんが

「ゲームを作っている中で心残りなことや上手く行かなかったことがあったとしても
それは当たり前のことで、落ち込む必要は全くなくて、その失敗を次に活かせば
いい」
といったこと(あくまで大意です)をおっしゃっていて、胸につかえていた思いが
取れた。

丸の内というロケーションを活かしたARGや、
キャラ絵に凝ったノベルゲーム。






どのチームの方も、
目を輝かせながら自分たちが作ったゲームについて発表していた。

その後の懇親会では、
参加者で寿司やサンドイッチをつまみながら、
ゲームやアニメ、マンガの話などで盛り上がった。
長久さんによる物語の構造論解説もあり、
最後の最後まで勉強になることが多かった。

あのサバイバルゲーム※を乗り越えてみんなホッとしたのか、終始和やかな雰囲気。
この濃密でスリリングな2日間を共にした人たちと乾杯して飲むお酒は格別だった。

今まで自分がやってきたことは無駄じゃなかった。
途中で諦めない限り、なるようになる。
誰かとゲームを作るのは、楽しい。

この2日間を終えた感想を3行で言うとこんな感じになる。

参加したいけど、自分の専門分野では…。まだゲーム作りの経験もないし…。
そういった思いから、参加を見送ってしまう人も多いのではないかと思います。
同じ世代や、同性が参加するのかな、といった心配事もあるでしょう。

今回私が参加したNII会場は、まさに
おとなも こどもも おねーさんも。
…といった感じの様子で、老いも若きもお互い刺激しあってゲームを作ることが
出来ました。
1チームに1人は女性の方がいて(中には男女比が逆転しているところも)、
聞くところによれば、これはGGJ400会場のなかでもトップクラスなのだそう。

会場ごとでローカルルールが違うので、その雰囲気も違ってくるでしょうが、
GGJには老若男女、誰もが一緒になって楽しめる力があるのではないでしょうか。

一回参加したら、もう怖いもの知らず。
思い切って飛び込んでみたら、きっといいことがありますよ。

※「限られた時間と人数で、1つのゲームを作る」
このこと自体、ひとつのゲームではないだろうか。

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