Skip to content

月間1000万PV突破の人気WebサービスTogetterはこうして産まれた(前編)



先日のleapfestのまとめなど、Twitter上の「つぶやき」をまとめるのにもはやなくてはならないツールがTogetter。

3年前、会社員だった吉田氏(@yositosi)が開発し、ついに2012年1月に月間1000万PVを突破した人気サービスとなったTogetter、その開発の舞台裏を聞いてみた。



——本日はお時間を頂きありがとうございます。
最初に吉田さんの使うプログラミング言語について教えていただけますか。

僕が今使っているのはPHP、javascript、あとデザインでCSS。javascriptではフロントエンド書いたりしてます。他にもwebサービスを作るために必要な技術は一通り触ってます。

——最初に触った言語もPHPですか?

最初はCかな。でも自分で何か作りたくなって始めたのはPHP。大学行ってたときの研究がビデオカメラの画像を解析して画面内の動体検知するみたいなことだったんだけど、僕はあまり技術的な面白さはなくて、どちらかというとメディアアートみたいなことやってた。この頃はプログラミング楽しい!みたいな感じじゃなかったね。
でも院卒して就職するときに、せっかくヤフーっていうインターネットの会社に入るならwebをちょっとやっておこうかな、と思った。そのとき手に取った本がPHPとMySQLでブログ作ろうみたいなチュートリアル本。それで勉強して、あとは色んなwebサービスを作っていっぱい潰してきた。Togetterは今までリリースした中で一番のヒットだけど、i4Uやそれ以前にもホットエントリー入りするようなサービスはたくさん作ってきた。でもほとんどは次第に管理が面倒になって、ドメインの更新しないまま止めちゃったりとか。
僕が一番最初にローンチして話題になったのが、ちゅぶりっていうサービス。youtube listの略なんだけど、動画をリストにまとめておいて、専用のフラッシュプレイヤーで連続再生できるっていうやつ。例えば好きなアーティストのリストを作れば、その音楽をずっと再生しておいたりできた。

——つまりその頃からコンテンツを”まとめる”というテーマは続いていると。

そう。でも、ちゅぶりのUIはTogetterほど作りこんでなくて、ドラッグドロップできないから「上に移動」ボタンを20連打するようなやつ。

——自分でサービスを作る度に、こうなったらいいなっていうものを実装してきたということですね。

Togetter開発のきっかけ

——Togetterの開発は当時の仕事と並行していたと思いますが、大変ではありませんでしたか。

あまり苦労とかは感じなかったかな。開発は面白かったし、時間も仕事の後とか土日使ったりして。開発開始からリリースまでの期間が短かったし、一緒に作っている人がいたから。
ちゅぶり作ろうって話も、皆でスキー行ってリフトの上で暇な間に何か面白いものを作ろうって話で盛り上がったからで。

——そういうところから話が始まっているんですね。

ちゅぶりを作るときにはコンセプトがひとつあって、テレビで使えるのが目的だったんだよね。任天堂のWiiに積んであるブラウザを使ってフラッシュを再生させて、それをテレビに映せばお気に入りの動画をずっとテレビで見られるようにしたかった。Wii用サービスってあまりなかったし、webっていうよりWiiで使えるサービスにしようって感じだった。Wiiで学習とか流行ると思ってた。

——Togetterを開発するきっかけは何だったんですか。

天下一カウボーイ大会というイベントがあって、それを見に行ったレポートを会社の技術共有会に出そうってことになって。そのためのプレゼンを作らないといけなくて、普通ならメモや議事録を整理したらいいんだけど、それが面倒くさかったんだよね。イベントにはtwitterのハッシュタグが用意されていて、ハッシュタグでtwitterを検索するとそのままイベントのログ、アーカイブとして使えるようなデータが残ってた。これをそのままプレゼン用資料にしちゃおうと思った。つぶやきの中から実況してるイイつぶやきだけ集めて、それを社内プレゼンで流しつつ補足説明したらプレゼンとして成り立つと思った。
つぶやきも手で集めたら面倒だから簡易なドラッグドロップUIを用意して、最後にはプレゼン画面になるよっていう。

それがプレゼン発表中すごく評判よくて、天下一カウボーイ大会より話題になっちゃった。それでちゃんと公開することにして、OAuthとか対応して誰でも使えるようにしたのがTogetter。だからプレゼンの当日には名前も決まってなかったんじゃないかな。

——プレゼン専用ツールを作ろうっていう発想や瞬発力がすごいですよね。

僕がTogetter作った理由って、結局面倒くさいっていうところが一番にあって、コピペでつぶやき集めて一個ずつHTMLタグで括ってCSS書いてっていうことをやってもよかったんだけど、その集める過程も自動化したかった。もしかしたらツール作るよりコピペしたほうが早いのかもしれないけど、最終的にツールが成果物として残れば資産になるし、みたいな気持ちで。その頃twitterAPIはようやくOAuthが出てきて面白くなりそうなタイミングでもあったし、これを使ってみたいって言うのもあった。

——つまりリリース当時はTogetterが今ほど広く使われるようになるとは予測していなかったということですか。

ぜんぜんしてませんでしたね。もっと皆が個人的なものを集めていって、内輪コンテンツみたいなものがたまっていく場所になるんじゃないかと。ツールとしては面白いけど、今でいうメディアみたいな感じになるとは思ってなかった。

——リリースの当時から現在までを眺めてきてどういう心境ですか?

twitter上には色んな人がいて、面白いこととが奇跡的なことが起きているのを見るのは本当に面白い。これってTogetterがなかったら僕は届かなかっただろうなと思う。誰かがまとめてくれることで、twitterのどこかの出来事を知ることができる。そういうのを目の当たりにしているとTogetterを作ることが単純に面白かったし、もっといっぱいの人に使ってもらいたいなと思う。いろんな人がTogetterを知るほどコンテンツがTogetterに集まって、Togetterも面白くなるんじゃないかと。

——Togetterが勢いづくなと思ったきっかけはありますか。

10年の3月にソフトバンクの孫社長が「やりましょう」進捗発表に使われたときも大きかったですが、特に大きかったのは口蹄疫が話題になったときです。テレビではあまり取り上げられていないけど宮崎のほうが大変なことになっているらしいという情報がtwitter、Togetter経由でメディアに流れていくみたいな、今まであまり見たことがない動きをしていた。Togetterのトップページも口蹄疫関係の記事で埋まってたしPVも尋常じゃなかった。
その頃からかな、Togetterが単に面白いだけのツールじゃなくなってきたのは。
炎上とか晒しとかにも対応しないといけなくなってきて、運用が大変になりそうな感じがしてきた。Togetterは拡散力のあるメディアだけど、だからちゃんとメンテナンスしないと良い場にはなれないと思った。

——それで法人化したのは、いつ頃ですか。

10年の6月末です。兼業で続けるのは難しいと思ったから。

——Togetterが現れてからtwitterの使われ方にも変化が生じていて、後でまとめるためにつぶやくという人が出てきました。Togetterはtwitterにぶら下がっているサービスというよりは、並行する相互補完的なサービスとしてtwitterに影響を与えていると思います。そういう、まとめを前提としたtwitterの使い方を進めていこうという気持ちはあったんですか。

そうなったらいいなという気持ちはあった。というのも、自分が作ったもので新しい文化が生まれるって面白いことだと思ったから。単純にtwitterの付加サービスというだけではなくて、Togetterがあることで元のtwitterのほうにも影響を与えられる。そういう現象が起きると、「トゥギャる」という言葉みたいに新しい文化ができていく。自分としてはやりたかったこと。だからそれ自体はうれしいね。
ただそれが元のものを歪めてしまっているという一面もあって、それを単純に喜べない人たちもいる。でも、いつかは同じようなサービスが出てくるだろうし、そのときにTogetterだったからよかったねって言ってもらえるようにTogetter内の機能をメンテナンスしています。他のサービスで作るよりはTogetterで作れば安心だよっていってもらえるようにしたい。

Togetter以前にふぁぼったーというサービスがあって、僕はあれが羨ましかった。twitterのFavを可視化して、ふぁぼを狙っていくような文化を作った。それは面白いし、僕もTogetterを作って、Togetterでトゥギャれば後で皆で見れるし、ブログエントリー書くよりtwitterで10個くらい呟いてまとめるっていう流れを作った。

——Togetterを法人化して転職するときの心境はどのような感じでしたか。

ヤフーを辞めるときはTogetterではなくて別の会社に転職してるんだよね。そのときTogetterは既にあったけど、盛り上がってる途中というか。まだ爆発してなかったから、事業化とかはまだわからなかった。それにTogetter作ったときには既に転職の予定が決まっていたのに、転職直前でTogetterが社内でヒットしちゃって、これどうしよう…みたいな気持ちはあった。

——Togetter社として独立してひとつのサービスで会社をやっていこうという決断は大きなものだったと思いますが、ひとつのサービスだけでやってくという心境はどのようなものがありましたか。

今まで僕が作ってきたサービスって長続きしないで終わっちゃうようなものが多くて、結局ドメイン更新しないで閉鎖とかだった。だけどTogetterはリリースして一年経たないくらいのときにサービス自体が成長していくのが見えた。だからこれはちゃんと成功させてみようと。何が成功かは人によるけど、色んな人に「Togetterは一時代築いたよね」って言ってもらえるくらいのプロダクトとして残したかった。もし事業化しなかったら、サービスはどんどん重くなってユーザーにも使われなくなっていっただろうし。

——ところで、Togetter社がTogetter以外に運営しているサービスは何がありますか?

ギャザQとか。ギャザQは今までの他のサービスとかちょっと毛色が違ってて、webサービスとしてじゃなくてイベントごとに使えるリアルタイムクイズプラットフォームなんだよね。だから使いたい人は連絡ください!みたいな。

——でもTogetter見てきた人からするとクイズって意外じゃないですか?

基本的には面白いものを作りたくて、Togetterやりながらも次に作りたいものが色々出てくるじゃない。そういうときに種を撒くわけじゃないけど、やりたいと思ってることはやっていいんじゃないかと思ってて、一週間くらいで作れるものなら期間切って作ってみる。一度作ってみると完成像やアプローチの改善点が見えてくる。

——今までのちゅぶりやi4Uのときも種を撒くという意味では同じだったと思いますが、今も同じように繰り返してやっているということですか。

そうだね。Togetterの前に作ったものも、仕事の合間にやったりしてたし、せっかく作るなら技術的な面白さを一つは入れようって決めてます。そのときの自分の知識だけで作れるものを作るんじゃなくて、一つくらい新しい要素を入れてみようと。技術的トライアルをひとつくくらい入れてみる。最近だとリアルタイムwebでnode.jsが面白いなと思ったらnode.jsを入れて使い勝手見てみたり、そうすればそのサービス自体がだめになってもその技術は自分に残るじゃない。それは次に使えばいい。そういうものがTogetterや次のサービスに生かされていくと思う。

——なるほど。ただnode.jsのような新しい技術ってチャットみたいなサンプルとかはネットにたくさんありますけど、触ってみて楽しいプロダクトって意外とないと思うんですよ。そういうときに一週間割けるかっていうと普通の人にはきびしいと思います。そんな中で新しいサービスを定期的にリリースしているyositoshiさんはすごいと思います。

今は大体一ヶ月に一本くらいサービスをリリースしてて、このペースは去年の8月くらいからかな。おだいばココいいmiicaレタリーギャザQ、かな。

——ちなみにこれは一ヶ月の仕事の中でどうやって割り振っているんでしょうか。

一ヶ月のうち、だいたい2週間くらい新サービス書いて、半分はTogetterに充てる。Togetterの機能改善と新サービスが半々になって、50%ルールみたいな感じになってる。一度サービスとして出してからも直したいところとか出てくるし、今までのサービスのメンテナンスもしないといけない(笑

——ここまで仕事と並行してサービスをリリースしてきて、新しく気づいたことは手法などはありますか?

僕は期限を切っちゃうのはあまりよくないと思っています。リリースを厳密に先決めすると作りこみが甘くなったり、リリースのタイミングが甘くなったりする。

–なるほど。

あと斬新なものは短いうちに作るのはよくない。短く作りたいなら、既存のプロダクトを真似るとかしたほうがいい。海外で流行ってるものをキャッチアップして一週間で国内版作っちゃうとか。そのほうがヒットするまでも早いよね。エッジの効いたものを作りたいなら、そのエッジをどうやってユーザーに伝えるか考えて、そのためのチュートリアルも作って、UIも作りこんで・・・とやることが多くなる。サービスは使ってもらうことが肝だから。

——Togetterも当初はかなりエッジが効いていたのではありませんか。

ドラッグドロップしてツイートを並べるUIはTogetter当初からあったし、そこは2年前から大きくは変わってないけど、当時は斬新だったからUIが面白いって言う人とか、IEじゃ使えないとか。色々あったんだよ。
でもTogetterはスタートは良かったと思う。最初にリリースしたときにはてなブックマーク稼げたし、ヤフー社内でも使いたいって言ってくれる人が結構いたから、宣伝してくれたり。

今まで出してきたサービスで、もちろんうまくいかなかったものもあるけど、面白そうなものもあるから、それをまた手直ししていきたいよね。

——新しいサービスを思いついて作ろう!と思うときに気をつけていることとか、大切にしていることって言うのはありますか?

いつも思ってるのは、僕は自分が使いたいっていうところからしか発想が出てこないんだよね。だから女子を想定して作るとかより、自分があったら使うだろうなってサービスを想定してアイデア出すし、少なくとも自分が使えるようにしておく。だからすごいヒット狙うよりも自分がちゃんと使えるものをちゃんと作りたいっていうのがある。Togetterも元は自分のためだし。だから自分が使いたいくらいだから他にも使いたい人がいるだろう、って思ってる。TechCrunchとかで他人のサービスとか見てて、「これ自分の発想にはないなあ」って思うときはよくある。大体そういうのは自分が使っているイメージが湧かなかったり。どうしても出てこないアイデアのパターンみたいなのがあるんだよね。たとえばGumroadとか、僕自身がモノ作りしているわけじゃないから、ユーザにお金を払ってもらって何か売ろうっていう感覚とか、誰かのものをお金払って買おうって発想にあまりならない。だからあれをつくろうってアイデアにはなかなかならない。

——なるほど。

でもその殻は破りたいって思っているところでもある。だから最近は発想変えてみて、その一歩がギャザQとかになってる。あれは他の人との会話から出てきたアイデアだし、自分の中からは出てこなかったようなもの。独立してからいろんな人と話す機会が増えたから、これは良いメリットだと思ってる。

自分の中の欲求だけじゃなくてね。人と話してると思いつかなかったようなアイデアも出てくるし、そういう人があったらいいなって思うのに作れないとき手助けしたりできる。ただそのサービスを使う人がいるのかっていうところだけは常に見極めないといけない。発想の出所は自分に限る必要はないかなって思うね。


Togetterの開発者@yositosiさんにも会える!?
つぶやきメディアサミット2012が今週土曜日(25日)に開催!見逃すな!

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - 月間1000万PV突破の人気WebサービスTogetterはこうして産まれた(前編)
Post to Google Buzz
Share on GREE

No related posts.

Facebook comments:

Post a Comment

Your email is never published nor shared. Required fields are marked *
*
*