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[ars 2011]「パーソナル・ファブリケーション」FabLabが描く未来

こんにちは! wise9編集部のリョーヘイです。今日はオーストリア・リンツで開催されているメディアアートの祭典「ARS ELECTRONICA」に取材にやってきました。

ARS ELECTRONICA CENTER

ARS ELECTRONICA CENTER

会場には気になる展示がたくさん! いくつか選りすぐって、wise9の読者のみなさんにレポートしようと思います。

そのひとつが「Fablab」。これは「Fabrication Laboratory」の略称で、はんだごてやペンチなどの基本的な工具に加え、レーザカッタや3Dプリンタなどの工作機械が揃った、いろんな「もの」を作るための工房のような共有空間です。

地下のメイン・ギャラリーの中にある「FabLab」

地下のメイン・ギャラリーの中にある「FabLab」

FabLabのあり方は「Personal Fabrication」という考え方と密接に結びついています。大量生産によって同じモノをたくさん作ることが効率的になってしまった現代では、「一点モノ」というのはとても高価になってしまいました。自分の欲しいものにぴったりの製品を探すのは諦めて、必要なものに似たものを、たくさんの大量生産品の中から探すしかない。でも、大量生産品のデザイナが、かならずしもあなたのセンスや需要に合ったものを作ってくれるかどうかは分かりません。

それでは、人々が自由に一点モノの製品を作れるようになれば…? もっともっと多様な製品が現れて、よりよいモノは他人からマネされて…。モノとヒトの関わり方はもっと変わっていくかもしれません。もともと工業製品の試作品作成のために使われていた技術「ラピッドプロタイピング」を応用して、専門的知識を持たない人々が自由に、手軽に、安価に製品を作れること、これが「Personal Fabrication」の考え方。

Fablabは、Personal Fabricationに必要な3Dプリンタやレーザカッタを備えています。公共施設のような利用のされ方を想定しており、たとえばインターネットでダウンロードした設計図を持ってきて、製品を作ったり。材料を別の場所で買ってきて、持ち込んで製品に組み立てたり。Fablabそのものが、「ものをつくる」という行為を身近にする場所であるわけです。

Happy Lab

Happy Lab

今回アルスで展示されていたFablabは、ふだんは同じオーストリアのウイーンにある「Happy Lab」というFablabが出張してリンツにやってきていたようです。

ペンタブで断面を書くと、簡単に回転体のモデルが作れる

ペンタブで断面を書くと、簡単に回転体のモデルが作れる

複雑な立体モデルもペンで直感的に扱える

複雑な立体モデルもペンで直感的に扱える

何書いてるの?

何書いてるの?

レ、レベル高けェ!!

レ、レベル高けェ!!

レーザーカッタでは、Tシャツに貼るシールを切り取る作業をしていました。紙を切ったりするだけかと思ったら、けっこう高出力。アクリルのプレートなども切断できるとのこと。

レーザーカッターは大人気

Tシャツをその場で簡単に作れる展示がありました

目玉はやっぱり3Dプリンタ。

見た目はオーブンか冷蔵庫っぽい

見た目はオーブンか冷蔵庫っぽい

3DモデルをPCからプリンタに送ると…

3Dモデリングソフト

3Dモデリングソフト

プリンタのノズルヘッドのようなものが動き出して、樹脂をどんどん積層させていきます。これで、どんな形のモノでも作ることが出来るというワケ。

動いてる姿は「プリンタ」そのもの

3Dプリンタで作った作品も展示されていました。

球の中に球が、その中に…

高い加工精度が必要なことでおなじみのブロックのおもちゃを再現。普通に遊べます。

 

「これ、絶対作るの無理だろ!」みたいな造形も、3Dプリンタなら難なくこなします。

こんなカゴも作れちゃいます

こんなカゴも作れちゃいます

レゴブロック。かなりの精度で作られています

レーザカッターを使った雑貨は、日本でもいくつか販売されています。実物を見たことある方もいるかもしれません。

こちらはレーザカッターを使った作品

こちらはレーザカッターを使った作品

はんだごてを使って、エンピツで音を鳴らす楽器を作る電子工作をしていた、スタッフのお兄さんに、「Happy Lab」についてインタビューしてみました。

電子工作ゾーン

電子工作ゾーン

 

—— Happy Labはどのように運営されているのですか?

非営利の団体によって運営されています。FabLabに興味のある企業や個人、メンバーによってサポートされています。

—— 利用者はどんな人ですか?

工学やデザインを学ぶ学生が中心ですが、子供連れの家族や、大学の研究者もよく使っています。

—— Happy Labを使うのにお金はかかるのですか?

いえ、無料で利用することが出来ます。ただし、頻繁に使うなら年間20ユーロのメンバーになることをオススメします。使える工具も増えますよ。

—— 予約は必要なんですか?

予約は必要ありません。空いている時間ならいつでも立ち寄ってもかまいません。でも、3Dプリンタやレーザカッターは人気なので、いつも混んでいます。こういう工具を使いたいなら、予約してから来ることをオススメします。

—— どうしてアルスに出展しているのですか?

FabLabの楽しさ、すばらしさを、世界から集まってくるみなさんに知ってほしいと考えたからです。FabLabが図書館のように全世界に広まれば、きっと世界はもっと楽しくなりますよ。


なるほどなるほど。確かに、こんなFablabが、図書館ぐらいの気軽さでアクセスできるくらい、世界のいろんな場所に出来ていったら…想像するのが楽しいですね。


ここまで読んでみて、「日本にもあればいいのにな…」と思ったみなさん。実は、日本にもあるんですよ。

現在、「世界FabLab会議」に登録されているFabLabは、日本では鎌倉とつくばの2箇所。

3Dプリンタやレーザカッターはありませんが、秋葉原には電子工作用の工具が揃ったオープン・スペース「はんだづけカフェ」もあります。

まだまだ関東圏が中心ですが、FabLabのネットワークが日本全国に、もっともっと広がっていけば良いですね! 「意外と近くにあるんだ…」と思った皆さん、この週末は FabLabで何か作ってみるのはいかが?

FabLabで作られたアクセサリー

FabLabで作られたアクセサリー。市販もされているそうです

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